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TEL.072-878-0020
〒575-0021 大阪府四條畷市南野5丁目2-16
第2回バスツアー
「
如意輪寺、吉水神社、金峯山寺蔵王堂、吉野朝宮跡を訪れる
」
如意輪寺本堂・如意輪観世音菩薩の前で加島住職の講話を聴く
天皇玉座の間、他多数の天皇御物を供えた吉水神社
日時
平成27年 5月 14日(木曜日)
行先
如意輪寺、吉水神社、金峯山寺蔵王堂、吉野朝宮跡(吉野町・吉野山)
◆車中での講話
往きバス車中では、扇谷から、四條畷市主催・第
1
回楠正行シンポジウム(平成
25
年
3
月)で配布した資料をもとに、楠正行の生きた時代背景について講義をしました。
「公家政治から武家政治への移行期、避けて通れなかった南北朝の対立」「桜井の訣別
11
年後、歴史の表舞台にこつ然と登場した正行の破竹の進撃」「四條畷の合戦における正行の戦略」「いよいよ迎えた四條畷の合戦、賊の獲るところとなる勿れと討死」「楠一族に見る武士道の精神」「父子ともに、立てた志を貫いた散り際の潔さ」等についてお話ししました。
また、楠正行が如意輪時に残した辞世の句と文章から、当時、正行が一方ならぬ教養を備え、仏教にも通じる学識者としての一面を学びました。
過去帳に記されたとされる文章には、往生楽願文の一節や観無量寿経の偈文を引用しています。また、辞世の句では、「へ」を「ゑ」とつづる誤りや「思ヘハ」と助詞に片仮名を使うのは南北朝期特有の文字と、久曾神教授(当時、愛知大学)がこの筆跡は本物と断定したとの四條畷市史の記述を紹介しました。
*辞世の文章(過去帳に記したとされる)
各留半座乗花臺
(
かるはんざじょうかだい
)
待我閻
(
たいがえん
)
浮
(
ぶ
)
同行人
(
どうぎょうにん
)
さきだたばおくるゝ人を待ちやせん ひとつ蓮のうちを残して
願以
(
がんに
)
此
(
し
)
功徳平等施
(
くどくびょうどうせ
)
一切
(
いっさい
)
同發菩堤
(
どうはつぼだい
)
心
(
しん
)
往生
(
おうじょう
)
安楽
(
あんら
)
国
(
こく
)
*辞世の句(本堂の板彫堀に鏃で刻む)
かゑらじとかねておもヘハ梓弓
なき数に入る名をぞとどむる
そして、吉野山に残る後醍醐天皇の御製を読み解きながら、吉野山に残る南朝の哀史を予習しました。
吉水神社は廊下一つで外に連なる畳十数枚の狭い部屋の下を瀬古川が流れます。瀬古川のせせらぎを聞きながら詠んだ歌でしょうが、何とも言い難い南朝の哀史を感じさせます。
花にねて よしや吉野の吉水の
枕の下に石走る音
かりそめの住まいと思っていたのに、知らぬ間に月日を重ねてしまったようだ。
ここにても 雲居の桜 咲にけり
ただかりそめの 宿と思うふに
梅雨の頃は都でもさびしかったのに、雲が晴れることのない吉野の山奥の寂しさはなおさらだ。
都だに さびしかりしを 雲晴れぬ
吉野の奥の 五月雨のころ
◆
如意輪寺に到着
如意輪寺では、本堂で加島公信住職の講話を聴かせていただきました。
(写真@AB)
如意輪寺の歴史に始まり、とりわけ、四條畷の合戦を前に訪れた楠正行とかかわりの史跡、正行公辞世の扉、正行公の髻塚、弁の内侍の詩情塚、小楠公髻塚の碑等について、その歴史的背景も含め詳しくご説明いただきました。
また、野口雨情が楠木正成の子孫で、如意輪寺に野口雨情の掛け軸が残っているというエピソードには、参加者の多くが印象に残ったようです。
また、参加者の一人、真木さんが吉野三絶について質問をされたことから、加島住職から『この際ぜひ放吟を。』と勧められ、後醍醐天皇塔尾陵の前で真木さんが突然放吟するという思わぬ出来事がありました。静寂の中で、真木さんの放吟を聞き、南北朝時代に思いをはせることができました。(写真C)
◆
吉水神社〜蔵王堂・吉野朝宮跡
吉水神社では、日本最古の書院造の義経潜居の間、弁慶思案の間、後醍醐天皇玉座の間に続き、後醍醐天皇の御物や楠木氏系図など、豊富な展示物を見学しました。(写真D)
庭園北側にある北闕門から眺めた蔵王堂は新緑の中に浮かぶ上がり、その雄大さが一層際立っていました。
あいにく蔵王堂についたころから雨が降り出しましたが、参加者から矢継ぎ早の質問を受けました。私が分からなかったことは、蔵王堂の職員にお訪ねしてお答えしましたが、参加者の熱心さに感心させられました。(写真
6
)
蔵王堂の仁王門から吉野山観光駐車場まで歩く予定でしたが、比較的強い雨になりましたので、急きょバス移動に変更し、帰途に着きました。
途中、大淀の道の駅でトイレ休憩とかねて買い物タイムを設け、出発後、第
2
回目の正行検定をしました。
今回の問題は難しかったようで、
10
問中
7
問以上の正解者は半分に届きませんでした。でも楽しく解答合わせを楽しみました。
そして、全員で、「四條畷」(大和田建樹作詞・小山作之助作曲)、「櫻井訣別」(落合直文作詩・奥山朝恭作曲)の
2
曲を合唱しました。
櫻井訣別は、
15
番までありますが、この日は最期まで歌い切り、車中は大きな拍手で包まれました。
第3回は、6月25日(木)、賀名生旧皇居(当主・堀氏の講話と案内)・賀名生の里歴史民俗資料館・北畠親房墓(いずれも五条市)、隅田城址(橋本市)を訪ねます。
写真@ 如意輪寺本堂
写真A 如意輪寺の本堂で講話をしてくださる加島公信住職
写真B 加島公信住職の講話に聞き入るツアー参加者の皆様
写真C 後醍醐天皇塔尾陵の前で吉野三絶を放吟する真木さんと聞き入るツアー参加者
写真D 吉水神社の御由緒
写真E 金峯山寺蔵王堂と写真手前は大塔の宮本陣跡
写真F 写真中央の建物は南朝妙法殿(後醍醐天皇の行宮となった実城寺跡)
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